歯科衛生士 柴田

目次
- ワイヤーで矯正しています!
- 小学校2年の時「歯牙腫」があって手術をしました
- 衛生士学校で好きだった実技は?
- 子供は「泣くのが当たり前」なので、全然泣いてほしいです
- 子どもを歯医者さんに連れてくるお母さんにメッセージ
- 取材後記
ワイヤーで矯正しています!


ワイヤーで歯の矯正をしているんですね!始めてどれくらいですか?
もう1年くらいです。
親知らずは2本、それ以外の歯を3本抜きました。
前歯がガタガタでそこを治したくて。

衛生士:柴田

矯正の方法、アライナーかワイヤーかどうやって決めましたか?
私、間食が多いんです。
プラス虫歯になりやすい・・・間食した後に、歯ブラシしてフロスしてアライナーを着けるのは難しい。
それと「4時間しか外しちゃいけない」という決まりがあるとちょっとストレスだなと思って。
見た目はちょっと気になるけど、ワイヤーの方が進みは早いし、装着時間の縛りがない=ずっとついているので勝手に矯正が進んでくれるのでいいなと思いました。

衛生士:柴田


4時間しか外せない=食べている時間以外はずっとつけている、なんですね。
うちの娘もアライナーで矯正しましたが、途中で虫歯になって「何で?!」という感じでした。
そこ、案外知られていないですよね。
歯に汚れが付いたままアライナーをつけると、結構虫歯になる・・・。
仕事柄デンタルフロスも通しますが、患者さんには難しいなと思います。

衛生士:柴田

その4時間に「間食する時間」も含まれると、思い浮かばなかったです。
娘は高校生で、学校帰りに買い食いする→アライナーを外す→そのあと結局、長々とアライナーを外しちゃう、という感じでした。
朝歯磨きして、そのままアライナーだけ忘れていくということも、結構多発していました。本人の意思で始めたので最初は頑張るのですが、頑張り続けるって大変だと思いました。(汗)
間食することやお酒を飲みに行くことが多いなら、逆にワイヤー矯正だなと新しい視点がいただけました。
ワイヤーも、よーく磨けば虫歯になりにくいです。
アライナーは、着けている間は唾液が行き渡らないから、そこが虫歯のリスクが高くなる要因です。
ワイヤーでも歯医者さんで1か月に1回診てもらえれば、リスクが低くなるのかなと。

衛生士:柴田

歯科衛生士さんならではの視点ですね。
唾液が行き届くとか届かないということは、説明してもらえないです。(汗)
唾液には、「酸性」に傾いたお口の中を「中性」に戻して虫歯を抑制する働き「緩衝作用(かんしょうさよう)」があるんですよ。
唾液は結構、大事なんです!

衛生士:柴田

小学校2年の時「歯牙腫」があって手術をしました

どうして歯科衛生士に?
小さい頃、前歯の永久歯が生えてこなくて手術室で手術をしたんです。
歯ぐきの奥に歯牙腫(しがしゅ:歯の形成過程の異常によって生じる、歯の組織を含んだ良性の過誤腫)というのがあって、それを抜くために歯ぐきを開いて全身麻酔で大きい手術をしました。
そこの歯医者さんで歯科衛生士さんと関わることがいっぱいあったので「あ、カッコいいな」と。

衛生士:柴田

何歳の時ですか?
小学校2年生の時です。
大体の子は永久歯が生え変わっている時期なんですけれど「まだ生えてこない、さすがにおかしいね」というので病院に行ったら、その「歯牙腫」というやつがあるので手術して抜きましょう、と。

衛生士:柴田

全身麻酔、怖かったですよね。
(突っ込み気味に)いや、本当に怖くて。
大きいライトをバッと当てられて・・・私の場合は、手術室に行って、手術台に自分で登って、そこからお薬注入しての全身麻酔でした。恐怖でした。

衛生士:柴田

そのライトは、ドラマでしか見られないですよね!?(汗)
他の部屋で麻酔してからストレッチャーで運んでくれたらよかったですね・・・ちなみに、入院したんですか?
簡単な手術なので、一泊で済みました。
その後、永久歯を牽引(けんいん)してくる矯正をして歯が並んだんですけれど、それは「第一期矯正」でした。
第一期が終わる時に「第二期の矯正があるんだけど、どうする?」と聞かれたんです。
その時ちょうど小学校6年生で、すごく見た目を気にしていたので「早く外したい」という気持ちが強くて。

衛生士:柴田

小学校2年生から6年生まで、ずっと矯正の器具を着けていたということですよね?
そうです、ずっと矯正歯科に通って・・・長かったです。
一旦終わったんですけれど、第二期をやらなかったので後戻りしたので、今矯正しています。

衛生士:柴田

あとどれくらいで、ワイヤーは取れるんですか?
2年半と言われたのであと1年半ですね。

衛生士:柴田
歯科衛生士学校で好きだった実技は?

じゃあ実はワイヤー歴は長い・・・なかなか特殊ですね。歯科衛生士時代の学校の勉強は?
暗記する資料を友達と一緒に覚えて、実技テストに挑んでいました。
好きだった教科は「予防歯科」ですね。

衛生士:柴田

どういうところが好きでした?
模型に「人工プラーク(歯垢:しこう)」や「人工歯石」を付けてキレイにするのが気持ちよくて、楽しかった覚えがあります。
予防のテストの再試はなかったですね。(笑)
衛生士学校にいた時はコロナ禍だったので、ずっとZoomでの授業と模型での実習でした。

衛生士:柴田
子供は「泣くのが当たり前」なので、全然泣いてほしいです

印象に残っている患者さんは?
歯医者の入口からギャン泣きの子がいたんですよ。
お膝の上に寝かせてもギャン泣きが続いて抱っこが出来ない、暴れすぎて嘔吐しちゃって。
そこで1回治療はやめたんです、お母さんに「今日は歯医者さんで遊んで帰ってくださいね」とお伝えしました。
「歯医者で楽しい思いをして帰ってください」ともお話ししました。
それで1週間後に来てもらう・・・とりあえず歯医者さんに入って、遊んで帰っていいので「歯医者=怖くない」という印象をつけてほしくて。
それを見ていた先生から「すごいね」って褒められんです。
他の衛生士さんにも「私には思いつかなかったわ」と。

衛生士:柴田

「何もしないで帰るなんて、許されないだろう」とお母さんとしては思います。
私も娘が歯医者で大泣きしていたことがあり「本当に申し訳ない」と思いながら歯医者さんに行ってたんですよ。
だから、治療をしなくてもいいから来てねと言われたら、後光が差します。(笑)
「すいません」と言って帰るお母さんが結構いるんですけれど、子供は泣くのが当たり前なので全然泣いてほしいです。
全然慣れるし、気にしなくていいですと毎回お伝えしています。

衛生士:柴田

そんなこと言ってもらったら、涙が出そうなんですけど。(汗)
それくらい気を遣いながら子どもを歯医者に連れて行ってました。
親のドキドキは子供にも伝わりますが、今の一言を知って「そう言ってくれる衛生士さんがいるんだ~」とハートの目で来るお母さん、いると思います。
そうなってくれると嬉しいですね。

衛生士:柴田


その子は来れるようになったのでしょうか?
次に来てくれた時は、泣いたんですけれど、お口を開けてくれました。
2歳くらいの子でしたが、成長してくれるのは嬉しいです。

衛生士:柴田
子どもを歯医者さんに連れてくるお母さんにメッセージ

マイブームは?
BLACKPINK(ブラックピンク)というKポップアイドルを推していて。
ワールドツアーが2026年1月に東京であって、チケットが当たりました!
あと、ショッピングがストレス発散ですね。

衛生士:柴田

歯医者に子供が行ったら泣たらどうしよう、と心配しているお母さんに一言、お願いします!
ある程度大きくなってから泣くのは結局、トラウマが多いんです。
1~4歳の初めて歯医者に来た子は泣いて当たり前だから、ホントに気にしなくて大丈夫だし謝らなくて大丈夫です!!

衛生士:柴田

「謝らなくて大丈夫」と言われると嬉しいんですけれど。(泣)
「ギャン泣きですいません」というんですけど、「それは当たり前ですよ、気にしないでください」っていつも言います。
「泣くから連れて行くのやめようかな・・・」とか、全然気にしなくて大丈夫です!

衛生士:柴田

大人でも歯医者さんが怖いと思っている人、いると思います。歯医者が怖い大人に一言!
痛みのないように頑張るし、もし患者さんが歯医者に来やすい環境を作れるなら・・・例えば音が嫌いなら耳栓を持って来てもいいですし、気軽に何が苦手かを教えてほしいです。
それによって私たちが来やすい環境を作れればいいかなと思うので、一度来てもらってお話ししてほしいです。
歯は一生ものです・・・入れ歯と自分の歯って噛んでいる感覚が全然違う=おいしさ、楽しさが全然違ってくるんです。
自分の歯をどれくらい残すかによって、ご高齢になったときの生活や介護も変わってくると思います。
今通院している患者さんで、歯医者が怖くても来てもらっている方も結構いるんです。
そういう患者さんも歯を大事にするために頑張っているんだな、と思って。

衛生士:柴田

頑張ると、老後にいいことあるよと。
今、親の介護をしていていますが、入れ歯のない人生はおいしくご飯が食べられると介護する側として実感しています。
絶対あります。
今からおじいちゃんおばあちゃんになっても美味しくご飯が食べられるように、せっせと準備しておきましょう。(笑)
喜んでお手伝いします!

衛生士:柴田
取材後記
インタビュアー自身、母親の介護まっただ中ですが、入れ歯がないため食べることは苦労していません。
さまざまなケアがある中、口腔ケアで入れ歯の心配をしなくてすんで本当に良かったと思っています。
食べたいものが食べられることが老後は一番の財産だと、母親を見て実感しています
実家の近くの歯医者さんの衛生士さんが母親のお口をサポートしてくれたように、五香ひだまりの衛生士さんたちもサポートしてくれること、請け合いです!